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セカンドオピニオンと、ゼロオピニオンの提案

難治性症例の真実Chapter 1

「難治性」という名の、落とし穴

「歯の診断は、とても難しい」ため、必然的に誤診が多くなります。診断が難しい理由の一つは、ときにはマイクロメートル単位で異常を発見する必要があり、異常所見が小さければ小さいほど、発見が難しくなるからです。治療しても症状が改善しない場合に、「診断が難しくて誤診をしました」ではなく、「しっかり治療しているけど、なかなかよくなりませんね」と言われることでしょう。こういった症例は、診断ミスや誤診症例とは言われず、もっぱら「難治性」症例と呼ばれています。

サンプルイメージ

多用される「難治性」

「治療しても症状が改善しない」という意味で用いられる「難治性」は、歯科でよく用いられますが、もちろん医科でも使われます。比較するため、Googleで「難治性 歯科」と「難治性 医科」をそれぞれ検索してみると、「難治性 歯科」のヒット数は約2倍でした。一方、1日推計外来患者数は、医科が4倍以上です(平成20年度調査/人口10万人あたり)。単純計算ですが、歯科の方が実に7.5倍も、難治性という言葉を用いていることになります。

CTによるブレイクスルー

治療しても症状が改善しない難治性症例にとって、ターニングポイントとなる出来事が、約10年前におこりました。それは、歯科用CTが開発され、販売されたことです。従来の、全体エックス線写真1枚(パノラマ写真)や、歯のエックス線写真数枚(デンタル写真)に対して、歯科用CTが映し出す3次元画像は、全体を300-500分割した部分像であるため、異常を発見するのが飛躍的に容易となりました。これまで、到底見つけることが出来なかった、マイクロメートル単位の微細な異常所見が、CT画像に次々と映し出されたのです。

CTが解き明かす、難治性症例の真実

たとえば、根尖性歯周炎の症状が改善しない場合、難治性と名付けられ、その主な原因は歯根破折であると思われてきました。しかし、歯根破折以外のさまざまな要因が根尖性歯周炎を治りにくくさせていることが、CT画像診断により分かってきたのです。私は、これまでに行ってきた10,000件以上のCT検査から、痛感していることがあります。それは、「多くの難治性症例は、ファーストオピニオン(最初の診断)が間違っていたがために、いくら治療しても症状が改善しないのではないか」ということです。


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誤診とセカンドオピニオンChapter 2

誤診による二次被害

誤診によって、本来されるべきでない治療を受け続ける以外にも、主治医に対する不信感が増すという二次被害が生じます。こうなってしまうと、その後に適切な処置や診断をされたとしても、疑わしいと感じてしまいます。さらに、自分の状態がいったいどうなのか知りたくなり、インターネットで検索して患者自身が診断を下すGoogle症候群や、都合が良い診断を下す医師が現れるまで次々に医療機関を受診する、ドクターショッピングと言われるケースも出てきます。しかし、治療を受けても症状が改善しないのであれば、現状ではセカンドオピニオンやサードオピニオンを受けるしかないのです。

誤用されるセカンドオピニオン

上に書いた「症状が改善しないのであれば、セカンドオピニオンやサードオピニオンを受けるしかない」という文章には、間違いがあることに気づかれましたか。セカンドオピニオンの定義は、「より良い決断をするために、専門的な知識を持った第三者に、治療開始前に意見を求めること」であり、主治医と良好な関係が保たれています。しかしながら、既に治療を開始しているケースでもセカンドオピニオンと呼ばれ、誤用されるケースが多いと感じています。このように、治療開始前ではなく、治療を受けても症状が改善しない状態になってはじめて、ファーストオピニオンを疑うケースがほとんどです。

  • 歯科でよく用いられるセカンドオピニオン
歯科でよく用いられるセカンドオピニオンは、以下のような状況です。
「治療を受けても症状が改善しないため、納得できる診断や腕の良い医師を求めて、専門的な知識を持った第三者に意見を求めること。主治医との関係は良好でない場合もある」
すでに治療を開始していたり、主治医との関係が悪化していれば、本来はセカンドオピニオンと呼べません。そこで、本ホームページではこれを、セカンドチョイスと呼ぶことにします。

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治療開始までの、あるべき流れ

診断(ファーストオピニオン) → 十分な説明、納得できる診断、理解できる治療方針(インフォームドコンセント) → 治療開始
という流れの中で、セカンドオピニオンという選択肢が含まれることは、大変貴重なことです。仮にインフォームドコンセントが得られていたとしても、より良い決断をするために意見を求めることは、患者自身の身体や権利を守るための重要な選択肢です。

歯科におけるセカンドオピニオン

私は、数多くのセカンドチョイスを見てきましたが、残念なことに、本来のセカンドオピニオンは経験がございません。また、セカンドオピニオンを謳っている多くの歯科医院が、知ってか知らずか、セカンドオピニオンという言葉を正しく使っていません。このままでは、治療開始前に意見を求める本来のセカンドオピニオンは、歯科において普及することないと考えています。

「症状が改善しないため、セカンドチョイスを受ける」というこれまでの流れは、簡単には変えることなどできません。しかし、削られるべきでない歯質を削られたり、抜かれるべきでない歯を抜かれてからでは、遅いのです。大切な歯を守れるのは、あなた自身と、正しい診断だけなのです。


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